エシカルファッションの入り口は、いまあなたが着ている服について「誰が、どこで、どのように」作ったものかを知ること。
今回は「顔の見えるものづくり」にこだわるプリスティンからの、地球の未来のためにすべての人に知ってほしいエシカルファッションについてのお話です。
エシカルファッションとは
「エシカルファッション」というのは、生産に関わるすべての人と地球環境に配慮したファッションのこと。
たとえば、不当な労働搾取をしない、環境破壊の問題に取り組むといった、倫理的・良識的な基準にもとづいてつくられているファッションを意味します。
「人と地球にやさしいファッション」と言ってもいいかもしれません。
世界がさまざまな課題に直面しているなか、エシカルファッションは私たち一人ひとりが、そうした課題を解決するために、いますぐできることの一つです。
ファッション業界の裏側で起きた悲劇から
「エシカルファッション」は、近年ファッション業界のトレンド・キーワードとなっていますが、でもじつは、それは単なる流行ではありません。エシカルファッションが注目されるようになった背景には、業界の裏側で起きたある悲惨な出来事がありました。
「ラナ・プラザの悲劇」
Image by: rijans
2013年、バングラディシュで「ラナ・プラザ」というビルが崩壊し、死者1134人・負傷者2500人以上にものぼる重大な事故となりました。当時、このビルには欧米のファストファッションを支える縫製工場が入っており、犠牲となった人の多くは、安い賃金で過酷な労働を強いられていた従業員だったと言います。
従業員のおよそ8割は18歳~35歳の若い女性たちで、なかには妊娠していた人も。にもかかわらず、すべての労働者が週7日休みもなく働かされており、とりわけ繁忙期になれば、さらに長時間の残業まで強いられたといいます。しかもいくら残業しても割増賃金は支払われません。そうしたひどい労働条件でも、貧困にあえぐ労働者達は職を失うことを恐れて、ただ働き続けるしかなかったのです。
そんな労働者の人権や意志を無視した営業を続けるなか、ついにビルが崩壊し、ファッション史上最悪ともいわれる大事故となりました。
ラナ・プラザは違法な建て増しなどにより、かねてから倒壊の危険性が指摘されていました。しかし目先の利益だけを求める企業が、安全管理もせずにそんな劣悪な環境での労働を続けさせた結果、こうした悲劇を招いてしまったのです。
悲劇を繰り返さないために
この事故をきっかけに、ファッション業界の熾烈な価格競争の裏側で犠牲となっている人々に、世界中から目が向けられるようになりました。大手のファッションメーカーも次々と改善に取り組みはじめ、このような悲劇を再び繰り返すことのないよう、業界全体にエシカルファッションへの潮流が生まれることとなったのです。
服の向こう側を知ることから
縫製などの製造段階だけでなく原料の生産においても、安価なファッション製品の裏側で悲劇はつねに起こっています。
あなたが普段着ているTシャツや、利用しているタオルなどコットン製品の原料となる綿花の栽培では、収穫の効率を上げるために凄まじい量の農薬や化学肥料が使用されていることをご存じでしょうか。とくに発展途上国では基準値をはるかに超えた量を使う場合もあり、毎年たくさんの人々が健康を害して亡くなっていると言われています。
まずはこうした世界の現実を知り、いま着ている服の向こう側にある問題について考えることが「エシカルファッション」のはじまりです。
そのうえで、いまあなたができる範囲で「エシカルファッション」を取り入れてみませんか?
たとえばオーガニック・コットン製品を選ぶこともその一つ。
オーガニック・コットンは、綿花栽培はもちろん製品としての加工過程においてもできるかぎり環境に負担をかけないように、そして生産に関わるすべての人々の労働条件にも配慮してつくられています。
また、いまある洋服を大切に長く着つづけたり、リサイクルやリメイクを活用したりすることで、使い捨てを減らすことも「エシカルファッション」への身近なアプローチです。
あなたから世界へつながる一枚を
あなたがいま一枚の服を手にとって、その向こう側にある世界に想いを馳せ、エシカルな選択をすること。その選択はいつか遠い空の下で、たくさんの誰かを笑顔にしていくに違いありません。
プリスティンは、私たちのお届けする一枚一枚が、やがて地球の未来を明るく変える大きな力になっていくと信じています。