台東区にアトリエショップを構え、プリスティンとも長きに渡り、さまざまなコラボレーションや展示を通して世界観を共有するアクセサリーブランド「Fillyjonk(フィリフヨンカ)」。 建築業界で意匠を学んだ兼森周平さんと、彫金を学んだ平岩さん2人によるデザインユニットが作りだす作品は、そのコンセプトや温もりを感じる手仕事にファンも多く、昨年、俳優の竹中直人さんとのコラボレーションで、ネックレスやピアスを発表するなど、その活動にも注目が集まっている。
植物や建築など風景をテーマに製作するなかでも、人気モチーフである「家」のアクセサリーは、もともと建築業界でモノ作りをスタートした兼森さんならではの発想だ。
「僕は最初、アクセサリーを展示するディスプレイなどを手作りしていたのですが、製作に携わるなかで、真鍮で『家』のアクセサリーを作ってみたいという構想が生まれ、教えてもらいながら見よう見まねで作るようになって、2010年から二人でスタートしました。建築は、どちらかというと要望のあったものを形にして、問題を解決するスタイルですが、それよりは、自分がこれを作りたいというほぼ100%アイデアからモノ作りができる方が、自分には合っているようと感じたんです」
「フィリフヨンカ」のものづくりで大切にしていることは、「二人の主観を合わせて、客観化すること」と話す兼森さん。 「僕が考えてすぐ完成品を作るのではなく、一度、平岩の視点を加えてもらうようにしています。逆も然り。男性的な視点だけだと可愛さがなかったり、頭でっかちのデザインになってしまったり、女性的な視点だけだと可愛いだけで論理的な視点がなかったりもするので、主観を二人分にして、バランスをとるようにしています」
ハイゲージの成型編みでリンキングですっきりと仕上げています。
衿をダブルにした雰囲気のあるカーディガンです。