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gents story - DAIKOKU Daigo 大黒 大悟 Part2

大黒 大悟 DAIKOKU Daigo
日本デザインセンター 大黒デザイン研究室 アートディレクター、グラフィックデザイナー

“gents(ジェンツ)”にこめられた想い

オーガニックコットンの「プリスティン」から、メンズライン「PRISTINE gents(プリスティンジェンツ)」がデビュー。 「ジェンツという響きには紳士的で柔らかい印象がある」こう話すのは、プリスティンのあらゆるグラフィック全般を手掛けるアートデザイナー、大黒大悟氏だ。
「最初に『“mens(メンズ)”や“homme(オム)”でなく、プリスティンは“gents(ジェンツ)”という名前でいきます』というお話があった時、プリスティンのメンズラインとしてとてもふさわしい名前に感じました。ブランド名の背景には、『世の中の男性はジェントルマンであって欲しい』という願いや、自分が使うモノには無頓着だったりもする日本の男性に『優しさを』という想いも込められているんです」
プリスティンジェンツのパッケージカラーであるブルーグレーには、「優しく、強く、美しくあってほしい」という意味が根底にあるという。

パッケージはあえてシンプルに

「青みのあるブルーグレーは温度としてはあえて冷たそうだけれど、深層心理に訴えかけるイメージがあります。プリスティンの商品は温度を感じる暖色系のアイテムが多いので、従来のレディースのラインは白の紙帯で巻いているのですが、メンズラインはあえて石のようなちょっと冷たい感覚を合わせた世界観で、ブルーグレーの紙帯にしました。 デザインという作業は、形を作るというゴールはなんとなく見えるのですが、形になるまでの背景や作り手の思想がきちんとデザインに宿っているかがすごく重要で、プリスティンの商品には毎回その思想がきちんと見られるため、自分のモノ作りの上でも勉強になっている。逆にいうと、そこまで手をかけて伝えたいことがたくさんあるということは、商品に対する自信の表れでもあるので、パッケージはあえてシンプルに、中身が詰まっている分、なるべく外見はそれを際立たせるデザインを心がけています」

『what』よりも『why』

大黒氏が考える、思想を伝えることのできるデザインとは? 「今は、モノ作りの背景すらネットで調べられるし、うわべだけの浅はかな表現は、すぐに見破られる時代なので、デザインをする上ではなるべく、『何を作るか?』という問いかけ以前に『何故作るのか?』を大切にしています。『what』よりも『why』の思考になることで、例えばプリスティンの商品がこの社会に出て行く理由から、今自分がやらなくてはならないこと、を導いて物作りができる。
そういった意味でも、お世辞ではなく、プリスティンの仕事で教えてもらったことはたくさんあるんです。DMひとつにとっても、どういうカタチにするか? より、どういう想いでそれを届けるかに注力していたり、ヤーンボールというオーガニックの糸玉を作った時も巻き方から考えて、鈴紐は端切れで作ったり…。エコに配慮するだけでなく、日本の技術を守り、実際に地域を活性化して取り組む方法まで、作り手も買う側も生産者側も、みんながプラスになるモノ作りを徹底している。考え方全てに筋というか、意味をもっているんですよね。その意味を適切に伝えていけるデザインのお手伝いができるといいな、と思っています」
現在、大黒デザイン研究室も入る、銀座四丁目にある「日本デザインセンター」の13F受付横のショーケースでは、プリスティンジェンツの商品を展示中。一般のお客様も閲覧可能だ。(日本デザインセンター 〒104

お気に入り商品は?

    ボクサーショーツ
    薄く滑らかなフライス地を使用したボクサーショーツ。
    快適な履き心地とオーガニックコットンの素材の気持ちよさを追求しました。
    特にパターンや縫製を工夫し、男性の身体にフィットするよう仕上げました。
    (※ゴムはバインダーの中に入っているため、直接肌にはあたりません)

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プロフィール

大黒 大悟 DAIKOKU Daigo
日本デザインセンター 大黒デザイン研究室 アートディレクター、グラフィックデザイナー
1979年広島県生まれ。
2003年金沢美術工芸大学卒業後、日本デザインセンター入社。11年大黒デザイン研究室設立。 グラフィックデザインを基軸におきながら、CI、VI、広告、パッケージ、ブックデザイン、映像、プロダクトデザインから美術館の総合ディレクションまで、様々なスケールのプロジェクトを行っている。JAGDA賞、JAGDA新人賞、東京ADC原弘賞、SDA優秀賞、D&ADイエローペンシル、NY ADC金賞など国内外の受賞多数。