世界各国のバレエ団で主役、ソリストとして活躍し、帰国後は、自身の経験を元に、バレエダンサー、バレエ教師、またバレエを通して美と健康をともに高めあうエクササイズを教えている、安間俊介氏。世界の舞台で踊る日本人男性として、「美しさ」への追及は研ぎ澄まされていったようだ。
「世界的に見ても、日本人のダンサーは男女ともにすごく優秀で、欧米のどんなバレエ団にも一人は日本人がいて、主役を踊る方もたくさんいます。繊細な感性や丁寧な動きなどは日本人が得意とする部分ですしね。でも、身体のラインがハッキリと出るタイツなどの衣装を着て舞台に出て美しいのは、日本人より欧米人の方だと感じるように、それなりに身体的なハンデは認めざるを得ません。元々バレエは西洋の文化で、彼らが生み出して創り上げた芸術なので、後ほど僕ら日本人が参戦してみたところ、及ばない部分もありますよね。それでも自分のほうがいいって思わせるためには誰よりも突き抜けた何かが必要。僕はとにかく正確に、きちんと丁寧に踊ることを意識していました。向こうの人は、パッとつま先を伸ばすだけで綺麗に見えたり、なんか普通に立っているだけでも美しいとか、なんとなくでできちゃう部分も多少あると思うのですが、僕は常に意識した正確さ、美しさを追求していました。」バレエは、「ダンスのなかで一番“美しさ”を求める踊り」だという。
子供のころからダンスを習い始め、その後バレエを始める。日本大学芸術学部に入学後、中退しイギリスEnglish National Ballet Schoolへ留学。在学中にEnglish National Balletの公演に参加。卒業後、フランスJeune Ballet de France、アメリカColorado Ballet、Tulsa Ballet Theatre、クロアチアCroatian National Theatreで主役、ソリストとして活躍。各バレエ団の本拠地の他、ロンドン、パリ、ニューヨーク、サンクトペテルブルク、バンクーバーなどの劇場でも踊る。現在は帰国し、バレエダンサー、バレエ教師、モデル、また自身の経験を元にバレエを通して美と健康をともに高めあうエクササイズの講師としても活動中。