まずE.M. Forster原作作品から「眺めのいい部屋」と「ハワーズエンド」をご紹介します。今では世界で活躍中の俳優たち総出演の映画で、アカデミー賞でも両作品ともたくさんの部門でノミネートされた秀作。衣装、音楽、ガーデン、ディナーパーティなど古き良き英国のアッパークラスの生活が垣間見れます。また同じ監督(ジェームスアイヴォリー)作品の「日の名残り」も見逃せません。「日の名残り」はノーベル文学賞を受賞したカズオイシグロさん原作の作品です。英国に住む日本人の家庭で育ったカズオイシグロさんだからこそ描けたと言われる、言ってみれば日本人の目を通した英国のアッパークラスの生活や戦争を通した社会の変化が描かれています。カズオイシグロさんの初期の日本を舞台にした小説「浮世の画家」も日本の戦争前と戦争後の思想の変化やそれにまつわる人々が描かれていて興味深いです。余談ですが、カズオイシグロさんノーベル文学賞受賞の一報がBBCで流れた際には、私も親戚が受賞したように嬉しかったです。