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gents story - KAKEGAWA Satoshi 掛川哲司

掛川哲司 KAKEGAWA Satosh
「Äta」オーナーシェフ

お仕事について

「震災で被害に遭われた方々に何かしたいけれど、料理人は加工職なので、調理はできても、生み出すことはできない。東京にはモノが溢れていても、僕らの仕事の虚しさを感じて。『何のために20年も修行してきたのか?何のためにこの職業を続けるのか?』と、一時期は、料理人を辞めようとも考えました。
そこで『食』に対して改めて向き合ったとき、料理人が自己表現するためのものではなく、もっとシンプルに考えて、“食べることの楽しみや幸せ”がダイレクトに伝わるということが大事なんじゃないかな、と思えてきた。

『食』へのこだわり

『フレンチってこういうスタイル』などの概念やルールをいったん取っ払ってみて、そのなかで料理人としての技術や感性を自然にいかせるやり方を探してみたところ、この“手で食べる”というスタイルに行き着いたんです。誰かと一緒に食べることの楽しさだったり、食事の喜びを、一番に感じてもらうことが、僕らがやらなきゃいけないことであり、料理人の使命なのでは?と自分のなかで見えてきた。
ですから『Äta』では、料理を順に提供するのではなく、ズラッとテーブルに並べて、みんなが話しながら好きな料理をとっていくシェアスタイル。フレンチだけど、ざっくばらんに手を使って食べて、お客様が最後に『今日の食事、美味しかったね』というよりも、『今日の食事、楽しかったね』と思ってもらいたいんです」

プリスティンと出会ったきっかけは?

そんな掛川さんとアバンティ社との出会いは、「Äta」をオープンする前の2010年頃。青山にイギリスの有名オーガニックブランドのライフスタイルショップが開かれるにあたり、シェフとして立ち上げに参加したのがきっかけだ。
「当時『オーガニック』という言葉は今ほど浸透していなくて、僕自身も食材だけでなくあらゆる意味で理解できていなかったので、日本オーガニックコットン協会さんにお話を伺いに行きました。『オーガニックの本質を理解したうえで、ルールなどにとらわれず、もっと楽しいことが出来るんじゃないか?』という思いもあり、直接行ったほうが早い!と(笑)。そこで、『あそこに行ったら、何か教えてくれるかもよ?』と、アバンティさんを紹介されました。行き当たりで『オーガニックコットンのことはここに聞け!』みたいな話を聞いて、ほぼ飛び込みでアバンティさんへ…。まるでロールプレイングゲームのような出会いでしたね(笑)。
でも、一見で扉を叩いた自分に、たくさんオーガニックコットンの話を聞かせてくださって、アバンティさんはみなさん前向きな方々が多いので、オーガニックに関して納得するお話から、『将来こういったことができたらな』と夢を描くことができて、手応えを感じたんです。実際にエプロンなどのユニフォームをオーダーしました。当時のレストランは、現地のレシピを基本にはしていたのですが、上質な素材を華美に見せるわけではなく、シンプルでナチュラルに仕立てるという点で、アバンティさんのモノづくりと共鳴するものがあったと思います」

お気に入り商品は?

    ヤクエアニットボーダー クルーネック 長袖ポケットTシャツ
    表がヤク混のボーダー、裏がコットンのWフェイスのエアニットを使った長袖Tシャツ。
    衿ぐりは無地のヤクエアニットを使用し、タコバインダーで始末しました。
    ポケットがポイントの、お部屋着におすすめのあたたかく気持ちよい長袖Tシャツです。
    洗うごとに素材がよりふっくらと空気を含みあたたかくなります。

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プロフィール

掛川哲司 KAKEGAWA Satosh
「Äta」オーナーシェフ
1978年生まれ。料理師専門学校を卒業後、 箱根「オー・ミラドー」や青山「レ・クレアシヨン・ド・ナリサワ」(現「NARISAWA」)などのフランス料理店で修業 を積み、「デイルズフォード・オーガニック 青山店」(現在は閉店)の開業時よりシェフを務める。2013年12 月、代官山に自身の店「Äta」をオープン。2017年は恵比寿にカレー専門店「GOOD LUCK CURRY」をオープンし、2018年は話題の新ホテル「hotel KOE」のブレッド&ダイニング「koe lobby(コエ ロビー)」をプロデュースするなど、活躍は多岐に渡る。http://ata1789.com/