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多目的コットンができるまで

vol.53
53回目の今回は、多目的コットンができるまで、を取材しました。

すべてのモノには生まれてきたストーリーがあります。
商品を手にとるお客様へ、そのストーリーを少しずつでもお伝えできればと思います。
  • プリスティンのロングセラーアイテム「多目的コットン」は、九州の南端に位置する鹿児島県鹿児島市でうまれています。この大判のコットンは今年2021年で、デビューからなんと25年!ブランドのデビュー当初からみなさまにご愛顧いただいているアイテムです。大きくて、厚みがあり、まさにその名の通り多目的に使えます。
    多目的コットンのものづくりには、オーガニックコットンのほかに、たくさんの水が必要です。ミネラルたっぷりで良質な伏流水を使って作られています。
  • プリスティンのデビュー当初からずっと一緒にものづくりの歩みを続けていただいている、カクイ株式会社さん。明治初期に綿をつくる会社として創業され、140年を超える歴史と技術を誇る工場さんです。綿布団から始まり、医療用脱脂綿をはじめ、船から油がもれたときに使用する吸着剤のオイルキャッチャーなど、いまやコットンを加工した様々なアイテムを展開されています。
    創業以来さまざまな試行錯誤を繰り返して新たな商品を生み出し続けているカクイさんで引き継がれるチャレンジ精神を原動力に、プリスティンの多目的コットンは出来上がっているのです。
  • こちらはタンザニア産のオーガニックコットン原綿です。
    ぎっしり綿の詰まっている1俵(1ベール)は約230kg。
    はるばる海を超えてようやく日本に届きます。
  • まず、原材料の袋を開けるところから多目的コットンのものづくりの準備は始まります。袋から出して1日置くことで、空気中の水分を吸収し、オーガニックコットン同士の繊維の絡みもほぐれ、ものづくりをスタートするための準備ができるのです。そしてほどよくコットンがほぐれた後に、機械にかけていきます。こちらは「混打綿(こんだめん)」という、原料を最初に投入する工程です。ぎっしり綿の詰まったベールの袋から出した原綿を混ぜ合わせ、原綿に付着している不純物を除去していきます。
  • 混打綿工程を通った綿を解きほぐし、1本1本の繊維に分離していき、多目的コットンづくりには短すぎる繊維や細かいゴミ・異物を除去していきます。この太いひも状のスライバーという形状になったころには、コットンの原形ができあがっており、ゴミもほとんどなくなっています。原綿の状態からの比較で、おおよそ10~15%ほど振り落とされています。
  • 繊維の向きを揃えながらこのような薄いシート状をつくり、そのシートを何層にも重ねて水の力で繊維を絡み合わせていきます。多層のシート状にした後に、脱脂と漂白をしていきます。コットンにはもともと油分が含まれており、そのままでは水を吸わないのでこの工程が欠かせません。脱脂綿と呼ばれているのはまさに工程のことですね!
    漂白には、過酸化水素水を使用し、やさしいオフホワイトの仕上がりです。中和剤には、主にレモンやみかんといった柑橘類や梅干しなどに含まれる酸味成分のクエン酸を使用しており、これはプリスティンの特別仕様です。また、不純物を取り除く製造工程の精錬では、良質な伏流水を用いて何度も洗い流します。綿の純度があがり、素肌をやさしく守ります。
  • こちらが機械から出てきている原綿の塊をシート状にした、一層のコットンです。コットン素材をそのまま活かしています。
    多目的コットンの柔らかさの秘密はその製法に!通常は原綿の塊全体を脱脂・漂白をするところを、プリスティンではシート状にした後に脱脂と漂白処理をする特許製法の“連続式後さらし”方法のため、薬液に浸す時間も短く、繊維のダメージを最小限に抑えることができ、均一な品質が保たれます。また、環境負荷の少ない薬剤をごく微量の使用に抑えることもできています。そのため綿のダメージが少なく、繊維の健やかさが保たれ、なめらかで繊維同士の絡みがよく、柔らかくも毛羽立ちの少ない、上質なコットンに仕上がります。
  • 取材当日の昼食時に外出した際の、火山灰が舞っている空模様です。活火山のある鹿児島県ならではの風景ですね!
    水は、地層の中を通ってくるときにろ過されると同時に、地層中のミネラル分を解かし込むそう。多目的コットンをつくるときに必要な良質な水と、この火山灰はつながっていそうです。
  • 代表の岩元さんに、カクイさんの歴史について伺いました。
    当時、鹿児島県を治めていた島津家の中でも名君「島津斉彬」は、イギリスから綿を作る機械である紡績機械を輸入したのだそう。機械で綿を作ること自体、日本では珍しいことだった当時、カクイさんが機械を島津家から譲り受けたことが創業のはじまりでした。この機械化のおかげで商品は九州をはじめ、日本全国そしてアジア、海外まで輸出されました。その後、カクイさんは世界ではじめての連続式精錬後さらし製法機を作り、それまで4日かかっていた脱脂綿やガーゼ作りが一時間半で出来るようになりました。
  • 明治初期の綿布団から始まった、ものづくりにおける飽くなき探究心ゆえに、カクイさんの140年を超える歴史と技術は綿々と続いているのだなと感じました。こちらのブリキの看板も趣を感じますね。
  • ロール状に巻き上がった脱脂綿の原反は、別の作業所に移動して写真のような機械を用いてカッティングしていきます。
  • 最後はこのように一箱ずつ丁寧に手作業で袋詰めされ、多目的コットンの完成です!
  • 「多目的コットン」は、コットンを何層にも重ねることで、裂きやすい構造に仕上げているため、パックにも最適です。みなさん、肌の角質はわずか0.2ミリということをご存知でしょうか。このうすい角質こそが、肌のきめ細やかさや乾燥度合いにも関係しています。お肌にとってもやさしい、プリスティンの多目的コットンをぜひ毎日のお手入れでお試しください!とろけるような肌触りがやみつきになる、一度使ったら手放せない上質な肌あたりです。
  • 多目的コットン
    いろいろな用途に使える大判サイズの多目的コットンです。ふんわりとしていて、とても気持ちのよい肌触りが魅力です。化粧用パックにはもちろん、パンティーライナーにも、赤ちゃんのおしりふきにも、母乳のふき取りにも、目的に合わせてお使いください。48枚入りなので、ボリュームもたっぷりでとてもお得なコットンです。